インスタレーションアート集団「チームラボ」丸ごと彼らの作品でできた美術館と噂の「チームラボ・ボーダーレス」に行ってきました。
心身の健康な人は、ぜったいにネタバレを見ないで行った方が楽しいです。逆に子供がいたり体力に不安がある人は下調べした方がいいかもしれません。なんで? というのも含めて感想を書きます。以下はネタバレ注意でおねがいします!
↑目玉展示のひとつ『ランプの森』。SNSでもよく見る。桜色は期間限定だったもよう
美術館というと、普通は建物があって部屋があって作品が並んでいて……というのが普通で、現代アートやインスタレーションの文脈でも破られることは滅多にありません。しかしこの美術館。館内マップがない。順路もない。部屋そのものがプロジェクションマッピングなどの技術を駆使した作品群。それどころかなんと、作品が勝手に消滅したり移動し、名称通り「ボーダーレス」に振る舞うのです。
↑展示室の床です。花が咲いては散り、風に流され、動物が横切ったり。床と壁の境目すらも曖昧
冒頭のランプの森をはじめとしたいくつかの展示は部屋の中から移動しませんが、道中の作品が変わってしまい見失います。いつしか目的地を定めず時間を忘れて探索するのがとてつもなく楽しくなっていました。さながらRPGのマップ自動生成ダンジョンみたいです。
(その性質上、授乳室やトイレが見つからなかったり、最後まで見たから帰るよ論法が通じなかったりで家族連れさんは大変そうでした)
ボーダーレスなのは部屋だけでなく、作品と鑑賞者の境界すらも曖昧で、世界観に没頭できました。館内は暗く、他人の顔はほとんど見えないし写真にもうつりません。プロジェクションマッピングで常に自分の体にも蝶が舞い花が咲き、ときに自分が触れることで変化する作品もあります。
↑ボーダーを消すために鏡が多用され、ときに床が鏡張りだったりするのでスカート派の人は中身に注意です
特に印象に残ったのは館内の喫茶店。お茶を頼むとその水面に花が咲き、飲むために器を持つと花が散っていくという作品です。お茶のフレーバーはまるで花から香ってきているようで、とてつもない現実感がありました。
↑花はお茶がある限り何度でも咲く。そして散る
プロジェクターの固定が甘く小刻みに揺れている、フレームレートが低め、画質粗めなどの技術的な制約こそ見受けられました。が、逆にいえばその制約が取れてしまえば現実顔負けの没入感を出せそうで、5年後10年後が怖い美術館です。
↑菜の花畑。こちらも期間限定の演出。白っぽい服で行くと自分も花になれる
他ではできない体験ができる魅力的な美術館でした。花や光が好きな人、写真を撮るのが好きな人には特におすすめです。薄暗くてロマンティックだからデートにもすごくいいよ!
borderless.teamlab.art