子どものころ何度も挑んでは挫折したMyst。十数年越しの今日、初めてクリアいたしました。
大人になったんだなぁとしみじみしています。手回し発電機や拷問具などの道具がわかる。線や管は何かを「送るもの」とわかる。レバーやスイッチの意図するところがわかる。子どもの頃はがらくたに見えていたオブジェクトたちが、次々とヒントを与えてくれました。
Mystの世界は常に霧が出ています。改めて眺めると、まだ角のある90年代CGを上手にぼかす、強めの空気遠近法なんですね。ぼかしをかければ遠近感も出るし、まろやかで美しい景色として眺められる。すごいアイディアです。
第二作のRIVENを意識しすぎたのか、あまり終わった感じのないエンディングだったのが少し残念でした。初めて会ったおっさんに「もっと強大な敵のために準備している」と言われてもなぁ……。RIVENとMystは作風がかなり違うだけに、Mystをトゥルーまでやりこんだ人を引きずってよかったのかは疑問が残るところです。
ちなみにRIVENは十年ほど前にクリアしましたが、Mystより難度が低く、人の気配があり、自然の表現が洗練されています。エキゾチックな文化の原住民が住まう南国に迷いこみたい、そんな人はぜひRIVENをどうぞ。こちらもiOS向けに移植されています。
【SUNSOFT「Riven: The Sequel to Myst (日本語版)」】
https://itunes.apple.com/jp/app/id590354298?mt=8
トゥルールートでは幽閉されていた『Myst』の作者を救出します。救出の報酬として贈られるのは、Mystの世界を自由に冒険する権利。本好きとしては心踊る報酬ですが、おまえAppストアで「真の脱出ゲーム」とか言うとったやん。脱出どころか永遠に出られんがな。
とはいえやはり謎解きの質、世界観と美しさは群を抜くものがあり、勧めたいゲームであることは変わりません。不思議な装置の前で頭をひねりたい人、ぜひプレイしてみてください。
【 SUNSOFT「Myst 日本語版」】
https://itunes.apple.com/jp/app/id328286483?mt=8