千住のコンテンツ感想ノート

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【東京都美術館】杉戸洋 とんぼとのりしろ【感想】

表題の個展にいってきました。

 

杉戸洋 とんぼ と のりしろ Hiroshi Sugito module or lacuna 】

http://hiroshisugito.tobikan.jp/

 

同時開催のボストン美術館展は混雑していましたが、こちらはスッと入れました。まず目に飛びこむのは、エスカレーターを飾る蛍光ピンクのアクリル板。こんなのあったっけ。なかったよな。

 

そして受付を済ませると「作家が描いた案内図です」と紙を渡されます。

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↑まさかの! 手がき!

 

折り目は私がつけたものですが、あまりの馴染みっぷりに最初からあったかのよう。カラー印刷どころか、コート紙ですらない。度肝を抜かれました。

 

しかしこの案内図こそが、今回の展示のありようはこうですよ、という閲覧者へのサインだったのです。

 

精密でも重厚でもない、色や素材をあいまいにつなげただけの作品たちが、疎に並んでいました。どこか気の抜けた感じです。

 

最初は物足りませんでしたが、見ているうちに「わたし疲れてたんだなぁ」と思いはじめました。作品たちが目に優しい。ピンクの緩衝材、きれいだよね。白い絵具、きれいだよね。そんな幼児性を肯定されてる気分になりました。

 

特に段ボールの屋根が付けられたソファ、居心地よかったです。外は明るすぎるし広すぎるんですよね。

 

人によっては本当に物足りないだけの展示かもしれません。なんかちょっと疲れてる人に、休むために行ってほしい個展でした。