かつて「めっちゃ似てるアニメが同じクールに放送されてる」と話題になっていた二作です。両方とも学園、異能バトル、ヒロインがピンク長髪で炎属性、開幕はヒロインの着替えを覗いてしまい決闘となる……という似通いっぷりです。
「この二つを見比べれば良い冒頭とは何かわかるよ!」と勧められたため、見比べてみました。
なるほど確かにだいぶ違う。
明らかに「落第騎士の英雄譚」の方が流れがきれいでした。
もっと具体的に言うと、情報の開示順序がきれいでした。簡単な流れを以下に示してみます。
【落第騎士の英雄譚】
・テレビにステラ・ヴァーミリオン殿下の来日報道が映っている。(ヒロインがどんな外見や立場かの情報)
・そのテレビを消し、トレーニングウェアに着替える主人公(主人公の外見や暮らしの情報)
・主人公が何か思い出を糧にトレーニングに励む様子が写され、騎士とは何かについてのナレーション(主人公の目標、現在の状況、世界観の最低限の情報)
・部屋に戻るとなぜか着替え中のヒロインがいる
・1話だけでは誰だかわからない二人の戦闘シーン(この子ヒロインじゃないのか)
・世界の政治情勢についてのナレーション(長いうえに複雑)
・主人公がトレーニング中にヒロインのハンカチを拾い、ヒロインの部屋に飛びこみ着替えを目撃(二人ともどんな目的の誰なのか情報がない、冒頭との関係がわからない)
……という感じでした。
似た設定でも情報の開示順序が違うだけでこれほどまでに引きこまれ度が違う。それをプロの仕事で確認でき、とても勉強になりました。
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