千住のコンテンツ感想ノート

美術展・ゲーム・書籍等の感想

【意外と硬派】Caligula Overdose【ダンジョン探索RPG】

 旧ペルソナシリーズのシナリオ担当を連れてきてペルソナっぽいRPG、楽曲は有名ボカロPのオムニバス、という大胆な試みに興味をそそられ予約しました。

 

www.cs.furyu.jp

 

 まず台詞回しがすばらしいです。「現代病理」や「カリギュラ効果」というコンセプトに違わず、台詞の端々から覗くキャラクターの本性がプレイヤーの興味をそそります。全員が高校生しかも無難以上の外見を与えられた世界で、現実の姿を垣間見る瞬間は独特の味わいがあります。

 

↑公式サイトより。めっちゃ気さくな良い子が突然こんな事言い出すからたまらない

 

↑公式サイトより。クールな先輩が突然こんな以下略

 

 意外だったのはダンジョンがめちゃくちゃ広いことです。宝箱も敵も多い。また、ダンジョンの所々に痕跡と呼ばれるチェックポイントやキーパーソンが配置されており、スキル獲得のためにまた戻って来る必要もあります。マップを隅々まで埋めていくような緻密なダンジョン探索が好きな人にはたまらないと思います。

 

 NPCのおねがいを叶えてスキルを獲得するという作業もかなり古典派ですが、現代病理が絡んでくることによってどこか背徳感のある行為になっています。しかもお願いをしてくるNPCは500人以上いるというのだから驚きです。すごい作業ゲーです。たのしい。

 

 ゲームバランスやノベル演出など荒削りな部分もありますが、それはそれ。コツコツと根気強くやりこんでいく硬派で古典派なRPGパートと、人間の心をもてあそぶかのようなノベルパートの危うい融合がすばらしいゲームです。