文学フリマお店番のお供に購入しました。大物新人の歌集を世に出す新鋭短歌シリーズ。手に取るのは「つむじ風、ここにあります」に続き2冊目です。
岡野さんの作風がもっとも如実にあらわれているのは、帯の裏側先頭にも記載されているこちらの短歌かと思います。
もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい
歌集全体に疲れた現代人の心と、それを冷笑する心が同居しています。だからってニヒリズムに偏りすぎることもないのが心地よかったです。
口語体で飾りすぎず、斜に構えるけど攻撃はしない。そんな絶妙な温度感がお疲れの人たちを癒すであろう、素敵な一冊でした。とても気楽に読めました。