GINZA6に展示されている『6つの船』。軽いようで圧倒的な存在感を持つ作品。それを作ったアーティストの個展が森美術館で! ということで行ってきました。
展示室に入ってすぐ飛び込むのは、展示会キービジュアルにもなっているこちらの作品。写真が下手で毛糸の質感と圧がうまく表現できていないのがもどかしいです。心もとない細い糸が空間を埋め尽くすさまはなんとも言えない不安定な感情をもたらしました。
↑『不確かな旅』
船の間を自由に歩き回れます。角度によって表情を変える毛糸の網。
糸の扱い、ひいては内に存在するものの外在化に秀でた作品がたくさんありました。塩田千春の赤い糸はときに血管、ときに神経、ときに魂、そして関係性や宇宙の比喩として鑑賞者の心を解放していきます。
↑『赤と黒』
展示会のたびに何かとぐるぐる巻きにされるこの柱
↑『小さな記憶をつなげて』
窓の外にはおもちゃみたいな六本木の景色。手前にはミニチュアの道具たち。それぞれが赤い糸できつくゆるく繋がっている。
↑壁面に書かれたメッセージ
塩田氏自身が全裸になって赤い糸や泥をまとう作品も多数ありました。刺激が強いので割愛します。
↑『崖の上』
絵画作品も多数展示されていました。そのほとんどが赤い糸の縫取りをアクセントにしていました。少女?から放たれる赤い糸は絶妙な開放感をもたらします。
ヒトや物のなかにある不確かなものが、糸となって舞い上がって空間を埋め尽くす。そんな世界観に気持ちが開かれる展示会でした。
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