今年春にリニューアルオープンをむかえた東京都現代美術館。そこが子供や美術初心者向けの展示をすると聞き、友達と行ってきました。
おめあての作品は『ポジティブな呪いのつみき』。ポジティブな言葉が書かれたブロックを組み合わせて、自分だけの呪いが作れるという参加型作品です。
↑【ポジティブな呪いのつみき/TOLTA】
つみきは持ち上げると心地よいザラザラという音を立てる。上の写真は私が自分にかけた呪い。下はみんなの呪いが並ぶ棚。
ここで大盛り上がりして1時間近く遊んでいました。まだ言葉を知らない子供がつみきにかけられた呪いを全く感じず、ただ積んで遊んでいたのもどこか風流でした。つみきに書かれた言葉はワークショップで一般の人が選定したそうです。術式だけ整えて通行人の動きを使って呪いをかける陰陽師を思い出しました。
↑【漠然とした夢の雲/TOLTA】
こちらはつみきとは逆に参加者の語った夢で紡がれている。みんな呪いに夢中で誰も触らない。
他にも迷路、ぬりえ、おりがみ、など遊び心を刺激するモチーフでいっぱいでした。どれも決して子供騙しではなく、大人の好奇心をたっぷり満たしてくれます。一個一個解説してしまいたい気持ちもありますが、ネタバレ控えめで行った方が絶対に楽しいです。
↑【受験の壁/開発好明】
受験を模した壁を超えてもその先も迷路。壁にはさまざまな筆跡で「もんだい」が描かれていた。
友達とゲラゲラ笑いながら全身を動かして、とてもリフレッシュできました。かけた時間はたっぷり2時間。事前に「あそこそんなに大きくないし1時間あれば充分じゃないかな」なんて言って申し訳なかったです。閉館のお知らせを聞きながら慌てて退出するくらい夢中で遊べました。
昔は美術館が苦手でした。でもアート作品、特に現代アートの鑑賞は「作者の提示した世界観に丸乗りするのがコツなんだ」と気付いてから美術館が好きになりました。その原点は遊び、ルールに乗っかって楽しむことにある気がします。
リニューアルで親しみの増した現代美術館。その初の長期休みにふさわしいwelcome感あふれる展覧会でした。