千住のコンテンツ感想ノート

美術展・ゲーム・書籍等の感想

【燈と光のアトラクション】江戸東京あかり展 produced by 日本あかり博

アート系アトラクションという斬新さに惹かれ、美術展にあまり行かない友達を誘っていってきました。ここなら一緒に楽しめるだろうと思いましたが、大正解でした。

 

edotokyoakari.com

 

会場は神田明神、つまり神社の敷地内です。不可侵・清浄・非日常などの条件が揃った神社。破壊されやすいという開かれた展示の短所をうまく補いつつ、美術館ほど敷居が高くないという美味しい場所だなぁと思います。

 

senju.hateblo.jp

 ↑余談ですがこの展示も神社で、すばらしい空気感でした

 

展示会場の建物に入るとまず売店の完成度がすごかったです。神社にきた人が欲しいものわかってるなぁ〜と唸ってしまいました。お札と出自が同じ神棚や、盛り塩にも料理にも使える祈祷済み小皿など。あかり展入場前から神田明神の持つ繊細な経営センスにほれぼれしてしまいました。

 

あかり展会場は地下階で、ミラーボーラーの小型作品が出迎えてくれました。ずっとミラーボーラー作品の実物を見たかったので嬉しかったです。

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↑写真でも十分あざやかですが、実物はもっとすごいです

 

本展示はストーリーがあり、寸劇があり、観客の選択によって結末が分岐します。それもきちんと作り込まれているので、ぜひ話半分に聞き流さずどっぷりと世界観に浸っていただきたいです。私は伏線を拾いそびれて望んだエンドへ行けませんでした……。

 

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↑【吉良 義央/シーズクラフト、デジタルモーション】

半透明のスクリーンに投影されたイケメン。映像作品かと思いきや、なんと会話ができる。声優さんや演技の方向性が日々変わるのも公式サイトいわく「やりこみ要素」

 

また、展示されているアート作品の解説もかなり初心者向けで丁寧でした。どんな作者で、どんな目的の作品か、どのように観賞するとよいかなどが噛み砕かれて書かれています。「なるほどたしかに!」と思いながら、あかりや光がテーマの作品たちを楽しく見て歩くことができました。


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↑【宇宙ガラス/戸水賢志】


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↑【伊吹の荒神/早川 鉄兵】


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↑【青森ねぶた「ダーク吉良」/北村 春一】

プロジェクションマッピングが前提のねぶたという意欲作

 

アトラクションという形式をとることで誰でも楽しめるアート展示となっており、デートや友達連れにぴったりでした。作品の方向性や解説も「誰でも」という方向性からブレず、スタッフさんたちも積極的に声をかけてくれます。中にバーがあってお酒も飲めます。ぜひ遊びに行ってほしいイベントです。