千住のコンテンツ感想ノート

美術展・ゲーム・書籍等の感想

【令和時代の超工芸】和巧絶佳展【パナソニック汐留美術館】

在住都道府県の都内への移動自粛が解除され、連休は美術館めぐりに繰り出しました。お目当てのひとつがこの展示会。まにあってよかった!

wakozekka.exhibit.jp

 

SNSで話題の「金魚絵師」深堀隆介氏や「サイバーパンク螺鈿」池田晃将氏などの作品が連なるこの展示会。サブタイトルがしめすとおり、機械にも人間にも到底なしうるようには見えない超絶技巧ばかりで眼福でした。

 

場所が新橋のオフィスビル群、閉館間近の5時ごろ駆け込んだこともあり、道中も館内も人影はまばらでした。密を気にする必要なく非常に快適でした。

 

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深堀隆介「四つの桶」

2017年「平成しんちう屋」展に行きそびれたのがずーーーっと心残りでした。やっと金魚絵師の作品を拝めて大変に満足です。実物は写真よりずっと泳ぎ出しそうな金魚でした。フンや葉のカスなどの汚しも見事で、ふと通りかかっただけなら本物と見間違うでしょう。

 

サイバーパンク螺鈿も写真を撮ったは撮ったのですが、まったくピントがあいませんでした。iPhoneのカメラを負かす細かさはまさに超工芸です。和巧絶佳展は全作品撮影OKなので、接写カメラをお持ちの方は是非活躍させてあげてください!

 

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源氏物語シリーズ第十九帖「薄雲」雪明かり

本来は仏具の装飾に使われる金属細工をガラスに閉じ込め、細工そのものを観賞するもの。こんなに繊細な金属箔を作れるだけでも恐ろしいのに、調和をもってガラスの中に配置されています。この写真もピントあまいですね……。

 

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橋本千毅「薔薇螺鈿箱」

貝の真珠層が持つ虹色を利用する螺鈿。しかしこの作者、その虹を色ごとに切り分けるという離れ業をしています。螺鈿の常識が覆る作品群でした。

 

 

超工芸に圧倒された人々が息を呑み、ピンと張り詰めている会場の空気も醍醐味でした。とにかくすごいと一目でわかるので美術初心者にもオススメ、ちょっとやそっとじゃ満足できない人にもオススメと広く刺さりそうな展示です。連休最終日の予定が空いているかた、是非見に行ってみてください。

 

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