雑誌上で連載されている短歌投稿コーナー、そのまとめ本を読みました。
一首一首に歌人・穂村弘さんのていねいな選評が付されています。選評は短歌の読み方だけでなく書き方も教えてくれました。投稿作品をわざわざ改悪して「ほら、投稿作はこんなところがいいんだよ」と例を見せるなどかなり初心者に優しい本でした。
また、投稿短歌は投稿者の年齢や性別も含めて作品なんだなぁとひしひし感じることができました。たとえば
ごーごーと燃えてる屋敷のきれいさを忘れないまま大人になりたい
(陣崎草子・女・31歳)
ペガサスはわたしにはきっと優しくてあなたのことは殺してくれる
(冬野きりん・女・18歳)
いずれもその年齢の女性が歌ったからこその凄みのようなものがあります。『啄木短歌論』にそれが真実であれ虚構であれ、読者は作者が口に出したものとして読み、作者の人格と不可分であると書いてあったのを肌で理解できた気がしました。
『短歌ください』コーナーは今尚現役で投稿短歌を募集し続けているようです。
短歌ください 穂村弘 応募コーナー | ダ・ヴィンチニュース
穂村弘先生に選評をいただけたら嬉しいだろうなぁ……