緻密な世界観と描写で私たちを引きこんだメイドインアビス、最終話もすごかったですね。
特に素晴らしかったのは、ナナチの今までの行動すべてを説明する、1秒の無駄もない回想シーン。あまりに精巧だったのでずらっとメモしておきます。
【12話回想で説明されたナナチの言動理由リスト】
・ナナチが顔を寄せられると嫌がる理由。かつて体臭を嫌がられることがあった描写。
・ナナチがミーティを受容した理由。他の子供にあっち行け、と言われる姿への共感。
・ナナチが料理下手の理由。ゴミ拾いで暮らし、神秘卿に連れられてからも味がない保存食を与えられていた。
・ナナチにとってミーティが宝物である理由。相棒になりたいと言い、ナナチの過去を肯定し、臭いも気にせずそばに来た場面。
・ミーティがリコを気に入った理由。ミーティとリコの性格の類似。ミーティが死ぬことでリコが再生する理由、ナナチがリコに同行する理由にもつながる。
・ナナチが豊富な知識と技術を持っている理由。アビスの専門書を愛読し、それを理解する高い知能をもっていた描写。絵も描けるくらいの器用さの描写。
・ナナチが獣姿である理由。アビスの設定なら「そういう種族」で良さそうなのに、たたじゃ済まさないなんて業が深い。
・ナナチがミーティの死を目標にしていた理由。ミーティの最後の言葉から。
・ナナチが探堀家を危険な存在と認識してた理由。初めて会った白笛がこれじゃあなぁ。
・(もちろん)なぜ二人で第四層に住んでいたのかの理由
・ナナチがレグを助けた理由。大事なところなので後にリコからも言及がある。
・ナナチがタマウガチの血清薬品を持っていた理由。毒を打たれたミーティが描写される。
・ナナチがピンチの探堀家を基本助けない理由。今楽にしてやるからな、の場面。初登場時に映った大量の笛からも、何度も救出に失敗したと見て取れる。
・ナナチの家に大量の毒と薬がある理由。ミーティを殺すための試行錯誤の気配。レグからも言及あり。
リコの美味しい料理を食べることでナナチの死生観が一変した場面も素晴らしかったですね。アビス信仰である命の巡りを体で理解した瞬間とも解釈できそうです。
これだけ心情と言動に気をつかったコンテンツはそうそうお目にかかれません。二期または劇場版を楽しみに待ちたいと思います。