アニメがあまりにも素晴らしかったので、単行本を購入いたしました(夫が)。表紙からすでにめちゃくちゃ色塗りうまいですね……!
漫画版はアニメよりずっと情報量が多かったです。アニメを見た人は隠された設定の繊細さにうなったり、アニメ脚本家の情報選別の巧みさに感心したりできると思います。
しかし本当に構成が素晴らしい作品ですねー。新たな発見がいろいろありました。
たとえば、漫画の冒頭では、リコたちが星の羅針盤を見ながら「上下なんて見ればわかるだろ」「果たしてそうだろうか?」というやり取りをします。最初に置くくらいには作品を貫くテーマのひとつなんだと思います。そのあとすぐに逆さ森の話が出て、上下がめちゃくちゃになる点からも、上下が重い情報であることが見えてきました。
間もなくアビスに旅立ったリコは、そのままだと逆さ森と星の羅針盤をあわせ、重要すぎる何かに気付いてしまう。それは物語として早すぎる気付きで、遅らせるため深界一層のあいだに「星の羅針盤を失くさないといけなかった」のかなと思います。いつか下層で再び手に入れるなり、似た道具を目にして、彼らは真実に近づくのでしょうね。展開づくりがうまいぃ……。
他にも、アビスの穴は火葬砲の跡にそっくりだなぁとか、ミーティがかなりナナチとの共通パーツ多いなぁとか、じっくり読めば読むほど設定の深みが見えてきます。
アニメにハマった人は一巻だけでも手に取るとかなり楽しいと思います。