千住のコンテンツ感想ノート

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【キャンプから移民】とびだせ! どうぶつの森【自由と不快なランダムのあいだ】

古参にはすこぶる不評な「どうぶつの森ポケットキャンプ」で初めてシリーズに触れ、かわいらしい世界観にどハマり。2019年のSwitch版が待ちきれず、過去作の「とびだせ! どうぶつの森」を購入しました。

 

あらすじとしては、ある田舎を訪れると新しい村長に人違いされてしまい、なし崩しに村の発展を任されるというものです。

 

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↑とりあえずサンバの衣装を着て家の前に花を植えた新米村長

 

初日のプレイですぐ「ポケットキャンプ」不評の理由がわかりました。

村の形や建物の配置はランダムで、全く同じ村はまずありません。村民の顔ぶれも、生えている植物も運任せ。その中に村長としてポンと投げ出されて、何をすればいいか分からぬまま、なんとかしていく。そんな圧倒されるほどの自由が「とびだせ」にはあり、「ポケットキャンプ」にはない……それが理由だったのだろうなと。

 

ただ逆に、数日プレイすることで「ポケットキャンプ」がなぜあの形になっていったかも分かってきました。

Twitterとび森アカウントを探してみると、好きなメンバーを揃えるため村民追い出し・呼びこみに専念したり(住民厳選)、村民を指定の場所に住ませるため他を障害物で埋めつくしたり(予定地厳選)、村を理想の形にするため3DS本体の時間を操作したり(タイムトラベル)などなどランダム性を拒絶していくプレイスタイルが少なからず見られました。

ランダム性の拒絶を現代的な遊び方として許容するとなると、どんなシステムになるか。好きな子を好きなタイミングで呼べる、どうぶつの服や地形もプレイヤーが決められる、タスクは決まっていてプレイヤー間にほとんど差異が生まれない……そんな「ポケットキャンプ」の姿が浮かび上がってきました。

 

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↑どんなに貢いでも去るときは去る

 

私自身は今のところ抗えぬランダムを楽しんでいます。どんなに好きなどうぶつも引越していってしまうし、知らんやつも越してくる。彼らの服や家具も勝手に変わってゆく。当然似合わないの着たりもする。インテリアもめちゃくちゃになる。毎日ちょっとずつしか変化しない村、思い通りには変化しない村。ぜんぶが愛おしく感じます。ただそれは私が超超のんびり屋だからであって、Switch版の新作が本当にこのままの形で良いのかはわかりません。忙しい人にはまどろっこしいだけのゲームかもしれません。

 

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↑石油王の衣装で釣りにいそしむ村長

 

かわいいどうぶつと田舎でのんびりしたい。その願いは確実に叶えてくれるゲームです。もし気になったらぜひ3DSを充電しなおして「とびだせどうぶつの森」をダウンロードしていただければと思います。