千住のコンテンツ感想ノート

美術展・ゲーム・書籍等の感想

【硬派SFアクション】INGRESS the animation 【色と光の構成術】

位置情報を使ったARスマフォゲーム「INGRESS」のアニメ作品です。二年ほどINGRESSをやりこんできた私はとても楽しみにしておりました。NETFLIXで一気見したので、できるだけネタバレを回避しつつ感想を書いていきたいと思います。

 

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まず全体の感想としては「思ったより硬派なSFアクションだったなぁ!」といったところです。同じアニメなら『PSYCHO-PASS』、映画なら『INCEPTION』あたりの雰囲気が近いでしょうか。主人公マコトの立場やテーマを考えると『マトリックス』も挙がってきます。

 

CGを用いたアクションシーンの完成度のみならず、ゲームのテーマカラーである青と緑の光が日常シーンにも美しく配され、どのシーンも印象的な仕上がりになっていました。周囲の光や物、服、瞳などの色によってどんな立場の人間かうっすらわかるように作られています。それに気付いた瞬間、物語の複雑さが一気に氷解しました。

 

心情描写もおざなりにされることなく、切なさや苦悩が、あるいは登場人物の隠していた感情に視聴者が気付く瞬間のカタルシスが、とても完成度高く作りこまれていたと思います。

 

惜しいのは序盤に何が起こっているのかすごくわかりにくいところでしょうか。ゲームをある程度やり込んでいた私ですらも戸惑いました。ちょっと我慢して見ているとどんどん面白くなってくる、そんなスルメ型のアニメです。

 

「世界は見たままとは限らない」、目には見えぬ場所でおこっている激しい戦いに参加する、というゲームのコンセプトがよくあらわれたシナリオでした。作中に出てきたようなARゴーグルでINGRESSできるようになるのがとても楽しみですね。

 

ingressanime.com