『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』で黙示録の世界観に魅せられ、続きも立て続けに視聴しました。
↓:序の感想
:破では主人公のシンジが他のパイロットであるアスカとレイとの絆を深めます。しかしアスカは使徒がエヴァを乗っ取った事件で失われ、レイもエヴァごと使徒に食われてしまいます。レイを助けようとしたシンジがサードインパクトを引き起こしてしまうまでが描かれていました。
やはり印象的なシーンはアスカが失われ(たように見え)るシーンでしょうか。アスカの搭乗したエヴァが使徒に乗っ取られ、シンジは撃墜を命じられるのですが「アスカを殺すなら死んだ方がまし」と拒否します。父親の指示でダミープラグという自動運転システムに切り替えられたエヴァは、アスカの搭乗機を生きたまま八つ裂きにします。これまでエヴァンゲリオンとパイロットは痛覚を共有しているという描写が何度もあったので、アスカがどんな苦痛に見舞われたかと思うと背筋が凍ります。また、自分の体同然のエヴァがそんなことをしたシンジの心痛の描写も鮮やかでした。どうしたらこんな地獄を思いつくんだ。
アスカの件もあり、レイを絶対助けると強く願ったシンジがなぜかサードインパクトを引き起こしてしまいます。:序の時点では、使徒がリリスを手に入れるとサードインパクトがおこるという説明でした。その瞬間には初号機に使徒の弱点であるコアと似たパーツも見られ、エヴァ零号機を捕食した使徒のコアを引きずりだし、初号機の身に取り込んだように見えました。それでサードインパクトが起こるということは、初号機がリリスと近しい存在であるということでしょうか? 使徒が零号機を捕食しても何も起きなかったことを考えると、エヴァンゲリオンは機体ごと出自が違うか、もしくは搭乗者であるシンジ、もしくは:Qで明かされる制御システム碇ユイにリリンの何かがあるのかもしれません。
説明もないままサードインパクトはカヲルが投擲した槍によって阻止され、初号機ごとシンジが眠ったという説明で:破は幕を閉じます。
:Qは未遂に終わったサードインパクトの14年後。宇宙に封印されていたシンジがサルベージされ、様変わりした世界を見せつけられます。カヲルに導かれ、癒され、贖罪のためともにエヴァに乗りますが、結果的にはフォースインパクトを引き起こしてしまっていました。
シンジが見せられた14年後の世界は、赤く染め上がり、球体が世界を潰していました。ヨハネの黙示録にある第3のラッパが鳴った世界「星が落ちて、川の三分の一が苦くなり、人が死ぬ」が訪れたと見てよいと思います。となるともしかしたら、サードインパクトは阻止されるのが予定調和なのかもしれません。
ずっと説明のなかった世界観について、本作に来てやっと多くの情報が提示されました。
エヴァに乗ると歳を取らなくなること。アスカが人間たちを「リリン」リリスの子供たちと読んでいることからも人間以外になってしまったことが伺えます。
シンジの母親と綾波レイの関係。母親が謎の兵器の制御システムで、助けようとした女の子が母の複製でサブがたくさんいるなど、少年がとても受け入れ切れる現実ではなく最高でした。
人類補完計画について。人類を次のステージに進化させる、という趣旨のようです。聖書世界観を貫くとするならば、最後の審判を起こし神の国を到来させるということでしょうか? それによって世界・人間・エヴァやシンジがどうなるかはまだわかりません。
終末シナリオを進めようとする碇ゲンドウによって二重三重の保険がかけられており、特にセントラルドグマへ降下してからは物語が複雑でした。フォースインパクトの最中カヲルがしれっと「第一使徒である僕が第十三使徒に堕とされ」と衝撃の告白をしています。使徒が聖書的な意味であれば第十二使徒で終わりのはずです。第十三使徒、裏切りのユダにあたる存在はなんのために必要だったのでしょうか。本作で使徒を使い切り、この先はどうやって黙示録を進めるつもりなのでしょうか。ちらっとだけ出てきたなんとかの鍵(聞き取れなかった)がついに役割を持つのでしょうか。
はたで視聴していてもこれだけ複雑な状況下、14歳のシンジには何がおこっているのか全くわからないまま世界が壊れていったのが伺われます。未熟な魂がどこへ歩かされようとしているのか楽しみです。
最終話の:||は「コロン終止符」なのか「リピート」なのか。話数カウントが4.0ではなく3.0+1.0になっているのはなぜなのか。気になる部分は尽きません。