千住のコンテンツ感想ノート

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【シナリオ】マギアレコード まどかマギカ外伝【感想その2】

メンテ明けのAP消費にいそしむ小さいキュウべぇの皆様こんにちは。プレイしてない皆様もこんにちは。

 

三章半ばまで進めたのでシナリオについての感想をまとめていきます。ほんのりネタバレがあるのでプレイ予定のかたは気をつけてください。

 

まず思ったのは「つくづくまどマギはミックスに強いコンテンツだなぁ」ということです。

 

原作の『魔法少女まどかマギカ』は「大好きな少女を救うために魔法で何度もタイムリープを繰り返す。繰り返すたびに微妙な変化がおこる」ことを主軸に作られています。そのため、繰り返しのどこかでおこった何かとして複数の作品が存在しても違和感が薄いのです。本作冒頭でもそのような設定であることが示唆されるシーンが入ります。

 

また、「願いを叶えることと引き換えに魔法少女になる」「魔法少女は魔女と戦わなければならない」「魔法少女ソウルジェムが濁るとやがて魔女になる」「ほとんどの魔法少女はやがて魔女になることを知らない」などの設定も秀逸です。設定さえ守っていれば、訳ありで、踊らされている、やがて悲劇に巻き込まれる少女を量産することができます。それがソシャゲ展開へとつながったのでしょう。

 

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↑タブの多さに注目。本編も、過去作に出てきたキャラクターのシナリオも、ガチャで獲得したキャラクターのシナリオも、ぜんぶ読める。

 

とはいえ、悲劇が悲劇になるためには上記設定が主人公にとって未知である必要があります。「小さなキュウべぇ」「ウワサが……」など本作で初登場の設定も加えられ、その扱いの難しさからか、シナリオの展開は遅めです。1話ごと細切れでバトルパートに入るため、より遅く感じられてしまうのかもしれません。

「道に迷う」「何をすればいいか探し回る」などの描写が多いため、マップ探索型RPGだと映えた構成かもしれませんね。

 

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↑だいたい常に困り顔のいろは。道に迷いまくります。ソウルジェムがどんどん濁る。

 

また、安全な場所でなごやかに会話していたはずがそのまま戦闘シーンに流れる、シナリオ上は一人で戦っているのに戦闘画面にガチャで引いた仲間がいるなど、ゲーム部分とノベル部分の噛みあわせの悪さも見受けられました。某ゲームの「話の途中ですまないがワイバーンだ!」というセリフが、システムとシナリオを乖離させない真摯な試みであったことがうかがえます。

 

システムとシナリオの噛みあいという点では、いろはの見つけた「小さなキュウべぇ」の名前がプレイヤーネームであることが独特の不穏を撒いてくれていますね。システム、シナリオ、世界観の間をどれだけ綺麗につないでくれるのか。今後の展開に期待したいところです。