素人が直感的に楽しめる企画展に秀でた森美術館。もうすっかり常連です。先日も現代アート企画展「六本木クロッシング2019」に行ってまいりました。
目当てはSNSで写真が出回っていた巨大ピンク猫、小林さん。入り口にいきなりいました。
↑【デコレータークラブ -ピンクの猫の小林さん- / 飯川雄大】
蟹の名を冠する彼がほんとうに猫なのかはわからない。とにかくでかい。絶対に全身を撮影できないように立っている。
映像作品と立体が多く、しっとり眺めるよりは「シュール」な作品が多かったです。楽しく困惑させられました。
↑【人工的な恋人と本当の愛 -Artificial Lover & True Love- / 林千歩】
手前に座っているのはアンドロイド社長。後ろには切なげな音楽とともにアンドロイド社長が陶芸教室の生徒(人間)と不倫するイメージビデオが流れている。社長の手元には家族(アンドロイド)の写真が。家族を大事にしつつ不倫するっていう生生しさを、あえてアンドロイドにやらせるシュールさ。
↑【Calling / 佐藤雅晴】
映像作品。電話が鳴り、誰にも取られず、切れる。それが様々な場所で繰り返される。ほとんどの場所でなぜか怖いほど人気がない。まるでホラー映画の1シーンのよう。もし明らかに自分宛ではない電話が鳴ったら、あなたは取るだろうか。
映像作品をしっかり見ようと思うと1時間以上かかるので、時間に余裕を持って来た方が楽しめると思います。あと、とある展示ではフラッシュ撮影の可能なスマフォを持っていると楽しいです。撮影を楽しんでいる人が多く、展示会全体の雰囲気がゆるめでらくちんです。
↑【猫オリンピック:開会式 / 竹川宣彰】
解説を読むと悲しい不条理が制作理由らしいが、キラキラ輝く猫たちは見る人の心を和ませてゆく。
入り口の小林さん、最後半の猫オリンピックとなぜかフォトジェニックな猫が二作品もあるので、猫好きな人にもおすすめです。ミュージアムショップも小林さんグッズが充実していました。あと図録は一冊一冊びみょうに表紙が違って購買意欲を刺激してきます。図録代三千円を握りしめていきましょう。
次の企画展は六月から「塩田千春展:魂がふるえる」。帰りに銀座シックスに立ち寄って塩田千春さんの新作も拝見してきました。
↑【6つの船 / 塩田千春】
シンプルなはずなのに圧倒的な情報量。頭がすごく処理落ちする。
次の企画展もたのしみです。 森美術館はいいぞ!